顔の吸引に糸リフト　いる？いらない？（2023年8月23日）

こんにちは、手加減なしの脂肪吸引の渓（たに）です。

「他院のカウンセリングで、顔の脂肪吸引には糸リフトが必須と言われました。モッズの先生は必要ないと言っていますが、どちらが正しいのですか？」 とよく聞かれます。

毎日脂肪吸引ばかりやって、「顔の脂肪吸引に糸リフトをセットでやるべきか」問題に自分の中で結論が出たので解説しようと思います。

①糸リフト必須派
脂肪吸引で皮膚が剥離されるので、糸で引き上げた状態で癒着を起こし固定することができる。逆に糸を入れないとたるむ。

②糸リフト必須ではない派 ←私
たるみのない若い人には不要。年齢が高ければ同時にやっても良いが効果は期待するほど強くない。全例にセットで勧めるのはただのアップセル。

それでは解説していきましょう。

糸リフトで癒着理論は間違っていませんが、少し不十分です。
まず、一般的に頬の吸引範囲はこの画像の青い部分です。顔全体からすると意外と狭いですよね。当然、糸と吸引の相乗効果が期待できるのはこの範囲に限られてしまいます。

また、頬は取りすぎるとコケたり跡がついて凹凸になりやすい部位なので、優しくマイルドに吸引します。他の部位のようにガッツリ取ってペラペラにはしないので、剥離もそれなりです。剥離がそれなりなのに、剥離したから引き上がりやすいという理屈は通るのでしょうか。

それでも糸リフトを別々に入れるより効果は期待できるので、どうせ後からやって同じコストがかかるなら一緒の方が良いです。40代以降でたるみが気になっている方は、わずかな相乗効果でもあった方が良いでしょう。

ですが、糸リフトによってたるみを劇的に改善したり、輪郭が変わったり、あるいは「糸を入れないとたるんでしまう」という説明は誤りです。それが、「効果はあるが期待ほどではない」いう意味です。

結論：私は、コストより少しでも良い結果を求める方、既にたるみがあり糸リフトの良い適応の方、定期的に糸リフトをやっている方、近いうちに糸リフトをやりたい方には、同時施術を勧めています。逆に若い方やコスト重視の方には併用の必要はないと説明しています。

最後に、「糸リフトを併用すれば術後の圧迫は不要」という理屈が全くの誤りということは覚えておいてください。

（顎下の吸引＋ネックリフトについてはまた少し違う話なので、いずれ解説しようと思います）

【参考】

たるみのある46歳の方に糸リフトなしで脂肪吸引をした症例はこちら