【ダウンタイム解説】拘縮が強いほど良い？（2023年12月13日）

こんにちは、手加減なしの脂肪吸引の渓（たに）です。

拘縮は脂肪吸引のダウンタイムのうち一番長く続くもので、皮膚が硬くなり、突っ張り感、乾燥、凹凸、シワなどの症状が出て、概ね3～4ヶ月かけて治っていきます。

「ここは拘縮が強いのにこっちは拘縮が弱いんです！」

と聞かれることがよくあります。何かの異常のサインでしょうか？それともちゃんと吸えてないということでしょうか？

今日はその拘縮について解説していきます。

①拘縮マップ

脂肪吸引をよくやる部位のうち、拘縮がもっとも強く起きる部位をオレンジ、やや強く出る部位を黄色で示しました。

共通点があるのに気が付きましたか？

そうです、拘縮は皮膚が薄い部分に強く出ます。

それさえ分かれば、ここは拘縮が強いのにこっちは弱い！と不安になることはありませんね。

確かに吸引が甘いと拘縮が弱くなることもあるのですが、同じドクターの手術であれば部位による違いであることがほとんどです。

②どうして拘縮が起きる？拘縮は良いもの？悪いもの？

脂肪吸引に限らず、手術は組織の損傷を伴います。

すると線維芽細胞が組織を修復するために、急いで３型コラーゲンを作ります。また線維芽細胞には平滑筋繊維があり、組織を収縮させます。

その後しばらくして３型コラーゲンが１型コラーゲンに置き換わり、組織は徐々に柔らかくなってきます。

硬いコラーゲンと繊維の収縮、これが拘縮の正体です。硬く厚みが出て、ギュッと縮むわけですね。

これによって術後の皮膚のたるみが少なくなりますが、拘縮が強すぎると治りきらずに残って、シワになることもあります。大量吸引や年齢が高い方の場合ですね。

逆にわざと拘縮を強く起こし、皮膚の収縮を促すsuperficial lipocustionという手術テクニックを活用することもあります。

つまり拘縮はダウンタイムの一つではありますが、綺麗に治すために必要な過程でもあるわけです。

③拘縮のケアは必要？

拘縮中の症状は、マッサージやインディバで軽減することができます。

基本的には必須ではありません。通常は放っておいても治りますが、症状が強い場合はしっかりケアした方が拘縮が残りにくくなります。

またかゆみが強い場合は、保湿が重要です。ボディクリームやワセリンを活用しましょう。また冷たいシャワーや保冷剤で冷やすのも有効ですが、冷えピタや熱さまシートは使わないでください。

というわけで、今回は拘縮について解説をしました。

術後に不安なことがあれば診察で詳しくお伝えしますので、お気軽にご来院ください。