破損したシリコンバックの取り出し（2016年11月13日）

以前、歩いていると「極上耳かき」という看板がありどうしても気になったので先日行ってみました。

そこはいわゆる普通の「床屋さん」で、せっかくならと人生初の「顔剃り」もやってみました。

これがまたびっくりするくらい気持ちよかったですね。これまでの人生でこれを知らなかったとは。

ついでに「顔ほぐし」たるマッサージもしてもらいましたが、これまた絶品。

もう少しで寝そうなんだけどぎりぎり起きている的な感じの状態が続いて完全にハマりました。

「床屋さん」というとオジサマが髪を切りに行くところと勝手に思い込んでた自分が恥ずかしいです。

さて本題に入ります。

今日は先日破損したシリコンバックの取り出しを行ったので、取り出したシリコンバックを紹介していきます。

片方のシリコンバックは完全に破損した状態でした。

これはコヒーシブシリコンという比較的新しいタイプのバックですが、中のシリコンがどろどろしているので破損してからかなり時間が経過しています。（コヒーシブシリコンバックの中身は通常はもっと粘調度が高いです。）

また、もう片方のバックは折れ曲がった状態でずっと入っていたようです。

この方の場合は幸い綺麗に取り出しが出来ましたが、やはりバックが破損したらなるべく早めに取り出した方がいいと思います。

これまで、かなりの数のシリコンバックを抜去してきたため（おそらく数で言えば、日本で１、２位に入ると思います。）色んなケースを経験しています。

破れてると自覚してから何年も放置してても特に何も無かったという人もいれば、破れて１週間後に感染を起こしてしまい片側だけ赤く腫れあがった状態で来院されたケース、シリコンバックが破れて何か月かで肉芽腫（シリコン肉芽腫と言われるもの）という腫瘍が出来てしまったケース、折れ曲がったままのバックを放置していためバックの角で皮膚に穴が開いてしまっていたケースなど本当に色んなケースがありました。

取り出したいけど見た目が変わるのが嫌だ、費用的に今は無理、破れているのは分かっているけど今は特に問題がないのでもう少し様子をみたい、などの気持ちもよくわかります。

別にそう思っている方を否定するつもりは全くありません。

ただ、そう思っていてもいざ自分が緊急時になった時には絶対にクリニックに駆け込むと思います。

でも、そういった緊急時のケースになるとこちらから提案出来る治療の選択肢がどうしても少なくなってしまいます。

例えば、脇から取り出したくても乳房下からしか取り出す選択肢が無かったり、抜去と同時に脂肪を注入したくても出来なかったりします。

僕も昔は破損していても問題がなければ様子をみてもいいですよと説明していた時代がありましたが、色んなケースを経験するうちにやはりシリコンバックが破損したら早めに取り出した方がいいと思うようになったこの頃です。