はじめに
仕上がりがキレイで、傷跡も小さく、痛みの少ない脂肪吸引の手術があるとしたら――それこそが「脂肪吸引革命」です。
脂肪吸引はかつて、歩けないほどの痛みを伴い入院を必要とする、目立つ傷跡ができてしまう、といったマイナス面も多い手術でした。本書の読者にも「怖い」「痛そう」などというイメージを抱いている方が多いのではないでしょうか。
痩せて美しいスタイルを手に入れたいという願いを叶えるはずの手術なのに、それにより見た目がどう変化するかや、どんな負担がかかるかには目が向けられていなかったのです。
しかし、どんな技術も時代とともに進化し、それにより提供されるサービスの質もまた、よりよくなっていくものです。科学技術や医学の進歩に伴って、脂肪吸引もまた、もっと負担なく、患者さんの思いに応える手術になって当然のはず――。
そんな思いに突き動かされ、私は脂肪吸引の手術をよりよいものにするために、その知識や技術を習得すべく研鑽を積み重ねてきました。
私は東京慈恵会医科大学医学部を卒業後、大学病院での勤務を経て、美容外科医となりました。
疾患や外傷を治療して患者さんを健康な状態まで回復させる通常の医療と違い、美容医療は患者さんの状態をよりよくする医療であり、治療により患者さんの美しさ、心の豊かさまでも実現できます。「プラスを生み出す医療」ともいえる美容医療に大きな魅力を感じ、可能性を追求してみたいと思ったのです。
そのために、より高いレベルの技術を習得すべく、ボディデザインにおける芸術と形成外科の融合分野で体のバランスの美しさを追求できる「VASER® 4D Sculpt™」や、自身の体から吸引した脂肪をボリュームアップしたい箇所に注入する「コンデンスリッチファット療法」の認定資格を取得しました。
最新の脂肪吸引なら、痛みや傷跡は手術中や手術後のケアの工夫で最小限にすることができます。かつてのように入院しなければならなかったり、術後の傷跡を気にしたりする必要はありません。
早く、ラクに、美しく痩せられる。
脂肪吸引は、多くの女性にとって願ったり叶ったりの痩身方法なのです。
しかし、残念ながらこれらの技術はすべてのクリニックで実践されているわけではありません。昔ながらで進歩のない手術を行っている医師も少なからずいます。さらに問題なのは、そうした手術により、いまだ脂肪吸引に対して間違ったイメージを持っている人が多いことです。
そこで、本書では、6000件以上の脂肪吸引・注入を手掛けてきた私の知識と経験をもとに、脂肪吸引手術の最先端の情報をご紹介していきます。ベイザー脂肪吸引という最新技術の概要、手術の流れ、手術で見込める効果まで解説しています。
正しい知識や最新治療について、実際の体験者の例や写真なども示しながら分かりやすくお伝えすることを心がけました。さらに、美容外科や医師を選ぶ際の見極め方についても、ページを割いてご説明しています。納得のいく手術を受けるには、クリニック、そして医師選びが重要だからです。
本書を読むことで、脂肪吸引が痩せたいと願う女性の選択肢の一つとなれば、これに勝る喜びはありません。