綺麗に6つに割れた腹筋、厚い胸板。たくましい、男性らしい体は、やはり男性から見ても憧れてしまいますよね。
テレビでよく見る俳優やモデルのような体つきになれたら、日々の仕事も、プライベートも、常にモチベーションを高く保っていられそうです。
しかし、現実はというと、年齢にともなって筋肉は落ち、付き合いで出席せざるを得ない食事や飲み会でぽっこりとお腹が出てしまった・・・という方も少なくないでしょう。「これではまずい」と思いつつも、仕事が忙しく、ジムに通う時間もなかなか取れないという方も多いのではないでしょうか。
引き締まった体を手に入れたいというのは、世の男性、ほとんどが願うことです。
その願いを実現しようと、ジムや自宅で筋トレに励んでいるけれどなかなか成果が得られないという方に朗報です。実は、脂肪吸引によって、引き締まった体を手に入れることができる場合もあるのです。
もしかすると、この記事を読んでいる方は既にご存知かもしれませんが、大手美容外科クリニックの院長は、脂肪吸引によって美しい6パックの腹筋を手に入れています。
そこで、この記事では、引き締まった体を手に入れるためには「脂肪吸引」か、「筋トレ」か、どちらが良いのかを詳しくご説明していきたいと思います。また、脂肪吸引後の体型維持やブラッシュアップのための筋トレについて、気をつけておきたいこともご紹介しますので、是非、参考にしてみてください。
この記事でわかること
1. 「脂肪吸引」と「筋トレ」引き締まった体を手に入れるならどっち?
男性らしい、引き締まった体を手に入れるためには、「脂肪吸引」と「筋トレ」の2つの方法が挙げられます。ここでは、それぞれの方法の効果と特徴、向いているのはどんな人かを解説していきます。
「脂肪吸引」と「筋トレ」について紐解いていく前にまず知っておかなければいけないことは、脂肪には「皮下脂肪」と「内臓脂肪」があるということです。後でも詳しくお伝えしますが、脂肪吸引で取り除くことができるのは「皮下脂肪」です。
男性は、女性に比べて皮下脂肪がつきにくく、どちらかというと女性の方が脂肪吸引に向いています。皮下脂肪があれば、もちろん男性でも脂肪吸引を受けることは可能ですが、女性と比較すると効果を感じにくい傾向にあります。
1-1. 脂肪吸引の効果と特徴
先ほどもご説明したとおり、脂肪吸引で取り除くことができるのは「皮下脂肪」です。皮下脂肪は、皮膚のすぐ下にある脂肪のことで、その内側には筋肉があり、さらにその奥に内臓があります。この内臓につく脂肪を「内臓脂肪」と言い、男性はどちらかと言うと、内臓脂肪がつきやすくなっています。
脂肪吸引は、麻酔をした後、小さな切開をして「カニューレ」と言う器具を体内に挿入し、脂肪を吸引していく仕組みです。超音波やレーザーなどを使い、予め脂肪を柔らかくしたり溶かして吸引しやすくする方法もあります。
脂肪は、一つの塊ではなく、たくさんの脂肪細胞が集まってできています。「太っている」状態というのは、この脂肪細胞ひとつひとつが肥大している状態となります。脂肪吸引は皮下脂肪の脂肪細胞を取り除き、物理的に脂肪細胞の数を減らすという手術です。一度取り除いた脂肪細胞は元に戻ることはありませんので、手術を受けた部分は効果が半永久的といわれています。
脂肪吸引は即効性があり、手術を受けさえすれば確実に痩せられる方法です。
ただし、前述の通り、取り除くことができるのは「皮下脂肪」のみです。男性は女性と比べて皮下脂肪は少ない傾向にあるため、女性よりも手術による効果は得られにくいと言われています。
近年、注目されている脂肪吸引手術に「ベイザーハイデフ」や「ベイザー4Dスカルプ」という種類のものがあります。ベイザー波という特殊な超音波を使った脂肪吸引の方法で、ボディデザインに特化した方法です。
ベイザーハイデフは体を彫刻していくように脂肪を吸引していくため、「ベイザーミケランジェロ」とも呼ばれており、希望通りのボディラインを成型することができます。
ベイザー4Dスカルプは、良い状態のまま脂肪を取り除き、ボリュームを出したい箇所に注入することができます。定着率も非常に高く、メリハリのあるボディラインを作ることが可能になりました。冒頭でご紹介した、大手美容外科クリニックの院長が受けた手術はこのベイザー4Dスカルプで、現在も美しい肉体を維持されています。
これらの「ベイザーハイデフ」「ベイザー4Dスカルプ」を行うためにはライセンスが必要で、認可を受けた医師しか執刀できないと定められています。経験豊富で高い技術を持つ医師のみができる手術ですので、費用も高額で、受けられるクリニックも限られています。
1-2. 脂肪吸引がオススメな人
比較的、皮下脂肪が多くて太ってしまっている方は、脂肪吸引がおすすめです。何度もお伝えするように、男性はどちらかと言うと皮下脂肪はつきにくい傾向にありますので、全ての方が脂肪吸引で効果が得られるとは限りません。
ご自身が、皮下脂肪が多いかどうか判断する目安は、「お腹の張り具合」で確認すると良いでしょう。
しっかりと観察してみると非常にわかりやすいのですが、男性の太り方には2つの特徴があります。1つは、丸々と、はじけんばかりにぷっくら膨らんでいる、風船のような状態。もう1つは、皮膚が余って、ぶよぶよと段差になっているような状態です。脂肪吸引がオススメなのは、後者のように、皮膚が段差になっているような太り方をしている人です。
皮膚のすぐ下にあるのが「皮下脂肪」で、その下には筋肉があり、さらに奥に「内臓脂肪」があるとお伝えしました。
筋肉より表層に近い部分にある皮下脂肪がたくさんつくと、脂肪は垂れ下がるようにつき、段差ができます。逆に、筋肉よりも深い部分にある内臓脂肪が多いと、硬い筋肉に支えられて垂れ下がることはなく、張るように脂肪がつくのです。
お腹についている脂肪が指でつまめるような方は、比較的皮下脂肪がたくさんついているので脂肪吸引の効果が期待できるでしょう。
ただし、皮下脂肪がたくさんついている方でも、クリニックから受け入れてもらえず、脂肪吸引が受けられない場合もあります。その理由は、多くの脂肪がつきすぎているために、麻酔が正しく効かないおそれがあるからです。体重が100キロを超えている方や、BMI値が30を超えている方が該当します。
こういった方は、脂肪吸引の手術を受ける前に、ある程度体重を減らしてからでないと脂肪吸引を受けられないことが多いので注意が必要です。この基準はどのクリニックでも概ね同じですが、念のためカウンセリング等で確認しておくのが良いでしょう。
1-3. 筋トレの効果と特徴
筋トレは、脂肪吸引とは違って物理的に脂肪細胞を取り除くわけではありません。
筋トレでは、まずトレーニングによって筋肉を破壊することから始まります。破壊された筋肉は、筋肉の材料となる栄養素を補給して回復します。筋肉が回復するときには、以前よりも強くなろうとするので、筋細胞が肥大、または増えて筋肉の量が増えるという仕組みです。
破壊された筋肉が回復するには通常48~72時間ほどかかると言われており、この期間に同じ筋肉にさらに負荷をかけると、筋肉が分解されて筋肉が増えにくい(肥大しにくい)と言われています。そのため、筋トレを行った後はきちんと休息を取る必要があります。この、筋肉が以前よりも強い状態になることを「超回復」と言います。
このように、筋肉が増えるには時間がかかるため、脂肪吸引のように即効性はありません。また、筋肉の増え方には個人差があり、またトレーニングの程度や部位によっても違いがあります。
「筋肉が増えることで基礎代謝が上がり、痩せやすい体質になる」というのはご存知かもしれませんが、体質が変わったと実感できるのは、筋トレを始めてから最低でも3ヶ月以上の期間がかかります。また、筋トレをすることが直接脂肪を減らすことには繋がりませんので、見た目の効果を実感できるまでにはさらに時間がかかってしまいます。
それほど太っていない方であれば、筋トレをすることで多少体を引き締めることは可能かもしれませんが、もともと脂肪が多い方は、筋トレだけでは体を引き締めることは非常に難しいといえます。
そういった方が脂肪吸引をせずに体を引き締めるためには、筋トレだけでなく有酸素運動もきちんと取りいれ、さらに食生活の改善をし、消費カロリーと摂取カロリーのコントロールをする必要があるでしょう。筋トレだけで脂肪を減らすというのは無謀な挑戦と言えます。ましてや、体を引き締めて男性らしいボディラインや筋肉の盛り上がりをつくるのはほぼ不可能に近いでしょう。
筋肉のラインが美しく見えるようになるのは、体脂肪率が15%以下からと言われています。それ以上に脂肪がついている場合は、残念ながら筋肉のラインは出ないでしょう。
1-4. 筋トレがオススメな人
脂肪吸引がオススメなのが「皮下脂肪がたくさんついている人」であるのに対して、筋トレがオススメなのは、「内臓脂肪がたくさんついている人」ということになるでしょう。ただし、これは、「内臓脂肪がたくさんついている人は、筋トレで体を引き締めることができる」というわけではありません。
この項目、『1. 「脂肪吸引」と「筋トレ」引き締まった体を手に入れるならどっち?』内でも何度もお伝えしていますが、脂肪吸引で取り除くことができるのは皮下脂肪のみです。内臓脂肪は取り除くことができませんので、脂肪吸引以外の方法で脂肪を減らしていかなければいけません。
「脂肪吸引」か「筋トレ」か、という2択であれば、「内臓脂肪がたくさんついている人は筋トレがオススメ(むしろ脂肪吸引はできない、あるいは効果が得られにくい)」ということだと認識していただければと思います。
それほど太っていない方で、体脂肪率が15%に近いような方であれば、筋トレに励んで筋肉を肥大させることで男性らしい筋肉のラインを作り出すことは可能でしょう。そうでない方は、筋トレだけでなく、有酸素運動や食生活を見直すなどして体質を改善していかなければ、引き締まった体を手に入れることはできません。
体質を改善するにはある程度の期間が必要です。効果が出てくるまでに時間がかかりますが、きちんと体質を改善できればその後も脂肪がつきにくく、痩せやすい体質を維持することができるでしょう。ただし、一度痩せた、引き締まったからと言って生活習慣を戻してしまえば、せっかくの努力が水の泡となり、下の状態へと戻ってしまいます。
筋トレや他の有酸素運動などは、「まったくしない」よりはもちろんした方が良いですが、長期的に継続しなければ意味がありません。
2. 脂肪吸引後の筋トレで筋肉はつくのか?
2-1. 脂肪吸引後の筋トレの効果
脂肪吸引後の筋トレでも、もちろん筋肉をつけることは可能です。
何度もお伝えしてきたように、脂肪吸引の手術では、皮膚の表層近くにある皮下脂肪のみを取り除きます。その下層にある筋肉や内臓に関しては脂肪吸引では影響はありませんので、脂肪吸引前の状態と変わりはありません。
「1-3. 筋トレの効果と特徴」、「1-4. 筋トレがオススメな人」の項目でも触れましたが、筋肉の量を増やすためには、まずトレーニングによって筋肉を破壊し、食事から筋肉の生成・回復に必要な材料を補給して休息をとり、筋肉が回復するのを待たなくてはいけませんので、やや時間がかかります。
脂肪吸引後でも、筋トレをすればすぐに体が引き締まるというわけではありませんので、根気よくトレーニングを続ける必要があるでしょう。しかし、脂肪吸引手術によって皮下脂肪の層が薄くなっていますので、手術前の状態よりも筋肉のラインが出やすくなっていることは確かです。多少時間はかかりますが、続けることで確実に成果が得られると信じて、筋トレに励んでください。
2-2. 脂肪吸引後の有酸素運動もおすすめ
とはいえ、脂肪吸引後に筋トレや有酸素運動などを取り入れるのは非常に重要です。
脂肪吸引は、確かに即効性があり、確実に痩せられる方法です。脂肪吸引の手術を受けた部位は、その後脂肪細胞が戻ることはありませんので、手術の効果も半永久的と言われています。
しかし、手術後に暴飲暴食をしたり、生活習慣の改善が見られず「太る生活」を続けてしまえば、取り残した脂肪や手術をしていない部分から脂肪がつき始め、不自然な体つきになってしまう可能性があります。脂肪吸引をした後は、油断しすぎず、筋トレや有酸素運動を取り入れて体重管理を意識して行う必要があります。
脂肪吸引をした・しないに関わらずですが、筋トレの程度や頻度、どのくらいの期間継続して行うかによって成果が得られるかどうかは変わります。どうしても、効果が出るまでに時間がかかってしまいますが、めげずにきちんと続けて行うことで、しっかりと筋トレの成果が得られるでしょう。
体を引き締めるために筋トレに励もうとお考えの方は、食生活の改善や有酸素運動も一緒に取り入れることでより引き締め効果が期待できますので、是非、挑戦してみてください。
3. 脂肪吸引後に筋トレを開始してもいい時期
脂肪吸引を受ける部位にもよりますが、手術後すぐは強い腫れや痛みが出ているため、筋トレを開始しようという気はなかなか起こらないでしょう。そもそも、手術後1週間程度までは切開の傷がふさがりきっていませんので、この時期に無理に体を動かすと傷口が開いて治りが遅くなる危険性がありますので、筋トレや激しい運動は避けるようにしてください。
3-1. 脂肪吸引後1週間
手術から1週間程度でむくみや内出血のピークとなります。脂肪吸引後は、できるだけ積極的に患部を動かす方が回復が早くなるといわれていますが、この時期も激しい運動や筋トレはおすすめできません。体を温めすぎると、炎症をぶり返してしまうおそれもありますので、無理なく日常生活が送れるようになるまでは控える方が良いでしょう。脂肪吸引をした部位以外のストレッチやエクササイズ、筋トレ程度は軽いものであれば行ってもかまいません。
3-2. 脂肪吸引後2週間
2週間ほど経つと、むくみや内出血といった症状もほとんど引いていきます。この時期になると、軽く体を動かす程度であれば問題ありません。脂肪吸引をした部分には拘縮が見られ、強く押したりつねったりすると痛みが出ることがあります。そのまま無理に続けると、回復しきっていない内部組織が出血してしまうこともありますので、痛みを感じたときには無理をせず、運動や筋トレの程度を抑えるようにしてください。
3-3. 脂肪吸引後1ヶ月
手術から1ヶ月が経てば、まだ拘縮が残ってはいるものの、ある程度普段どおりに運動や筋トレを行って問題はありません。ただし、これまでと同じく患部に強い痛みを感じたり、違和感がある場合は程度を緩めるなど、様子を見ながら行うことが大事です。
手術部位や吸引する脂肪の量、術後の経過によって運動や筋トレを開始してよい時期には違いがあります。詳細な時期については手術を担当してもらった医師に確認し、行うようにしてください。
4. 脂肪吸引後の筋トレで気をつけること
脂肪吸引後の筋トレで気をつけるべきは、やはり開始する時期に関してです。
前の項目、「3. 脂肪吸引後に筋トレを開始してもいい時期」でもお伝えしてきましたが、筋トレの開始時期については特に注意しておきましょう。
普段から運動やトレーニングの習慣がない方は、それほどストレスにならないかもしれませんが、ジムやランニングの習慣がある方は、手術からしばらくは運動を控えなくてはいけません。
説明したとおり、手術から1週間程度の抜糸が済むまでは、傷口が開いてしまう可能性があるため、激しい運動をしてはいけません。この時期は、炎症も完全に治まっていない状態ですので、体を温めすぎると炎症がぶり返し、回復が遅くなってしまうおそれがあります。
手術から1~2週間程度の頃は、炎症も引いてむくみや内出血の症状も治まってきます。この頃には、脂肪吸引をした部分以外のストレッチやエクササイズ、筋トレは軽くであればしてもかまいませんが、患部に痛みが出たり、熱感があれば無理に運動を続けるのは避けてください。熱感が出るのは炎症がぶり返しているということですから、すぐに患部を冷やして炎症を抑えるようにしましょう。
手術後1ヶ月からは、激しい運動や筋トレをしてもかまいませんが、拘縮により痛みが出る場合がありますので、ご自身の体と相談しながら行うようにしましょう。手術を受ける部位によっては、まだ普段どおりに動きづらいことも多いかもしれませんので、無理をしないように十分注意してください。
脂肪吸引後は体の中のたんぱく質が失われている状態です。食事から積極的にたんぱく質を摂らなければいけませんが、摂取量が少ないと、手術のダメージを回復させるための材料として筋肉が分解されてしまいます。手術後はきちんと食事でたんぱく質を補うようにし、筋トレや運動ができるようになったらきちんと行うようにしましょう。
筋肉の量が減ると基礎代謝が下がってしまうので痩せにくく太りやすい体質になってしまいます。脂肪吸引の手術後は特に筋肉の量が減りやすい時期になりますので、十分に注意して適度な筋トレを行うように心がけましょう。
5. まとめ
脂肪吸引と筋トレ、それぞれの効果と特徴、オススメな人についてご紹介しました。
脂肪吸引で除去できるのは、皮膚表面近くにある皮下脂肪のみです。内臓脂肪が多くついている方は脂肪吸引を受けてもそれほど効果を得られることはありません。男性は、女性に比べて皮下脂肪はつきにくく、内臓脂肪が多い傾向にありますので、脂肪吸引だけで大きな効果が得られる方は少ないといえます。
また、皮下脂肪が多く脂肪吸引を受けた方でも、6つに割れた腹筋やたくましい胸板など男性らしいボディラインを作るためには、きちんと筋トレや有酸素運動、食事コントロールなどを行って生活を改善していく必要があるでしょう。
ベイザーハイデフやベイザー4Dスカルプなどといった、脂肪を吸引しながら美しいボディラインを手術によって作り出す方法もありますが、きちんと体重管理・体型管理をしていないと、後々体型が崩れてしまう可能性もあります。
特に手術後は、たんぱく質が不足しがちになり、筋肉が分解されやすい状態となりますので、食事とトレーニングは意識して行うようにしましょう。
男らしい美しい肉体は、努力なしに簡単に手に入れられるものではないということを、頭の片隅にはきちんと置いておいた方が良さそうです。