脂肪吸引の施術は施術後に、腫れ、むくみ、麻酔による腫れ/内出血などが伴い、日常生活において行動が制限されることもあります。ここでお話するつっぱり感はダウンタイム症状に多くの人が体験する拘縮が原因の症状です。
拘縮の過程を経ることは脂肪吸引を受けた体が正常に戻ろうといている大切な過程ですので心配の必要はありません。ですが、つっぱり感が日常生活にあるというのは思いのほか不快感を伴います。
ここでは脂肪吸引後に現れるつっぱりの症状について、どのようにして症状を緩和するかなどのお役立ちの情報をご紹介します。
この記事でわかること
1. 脂肪吸引後に皮膚のつっぱりがある!これって失敗!?
脂肪吸引の後に皮膚のつっぱりがあると、脂肪吸引に失敗したのかな?と心配になるかもしれません。つっぱり感と言っても脂肪吸引を受けたことのない方にはイメージしにくいかもしれません。脂肪吸引を受けてそのような症状を体験した方の事例を挙げてみると下記のようなものがあります。
<体験者の声>
数年前に二の腕、太ももの脂肪吸引を受けましたが、その頃は特に運動やスポーツをしていませんでした。ですが、先月から趣味でダンスを始めた時に内ももがつっぱって開脚等の体操ができなくなっていることに気づきました。私はもともと手術前までは身体が柔らかいのが自慢でした。このような症状はただひたすらマッサージする以外に方法はないのでしょうか。
脂肪吸引後は拘縮という状態がみられ、つっぱった感じになりますがピークは1ヶ月で、長くても半年くらいで解消されます。ただ、術後何年か経過しても治らない場合、理論的には他の組織よりも脂肪組織が硬くなっていると考えられ、感覚が敏感な方の場合つっぱり感として違和感を持つのかもしれません。
2. 脂肪吸引後に皮膚のつっぱりが起きる原因「拘縮(拘縮)」ってなに?
拘縮の症状とは肌がぼこぼことして凹凸ができる、皮膚が硬くなって伸ばしにくいなどの症状です。「肌がぼこぼこしてきてびっくりして心配」という声が美容整形のネット掲示板で出てくるように、脂肪吸引を受けたら必ず出てくる症状です。
この凸凹の症状はコラーゲンの増加が原因で起こり、傷が治るための正常な反応です。個人差があり、脂肪の吸引の量や、もともとのその方の脂肪量によって変わってきますが、早ければ1ヶ月、遅くとも3ヶ月経てば自然と消えていきます。施術後2週間まではむくみ症状が目立ちその後に拘縮が始まってきます。
脂肪吸引は小さく切開した穴からカニューレという極細の管で脂肪組織を吸引します。真皮と筋肉間の組織の脂肪を吸引すると、元から脂肪のあった個所に空間ができます。体は空洞を埋めよう、受けたダメージを修復しよう、と動き始めます。そのために皮膚と皮膚の下にある層の癒着を目指したくさんの繊維が作られます。この繊維が働くときには皮膚の表面に変化が現れ、これが硬くなってしまった皮膚表面、デコボコした肌となるのです。
心配になるのも無理はありませんが、体の中では正常な機能が対応してくれていますので、心配し過ぎないようにしてください。
・脂肪吸引後のダウンタイムとは
施術後腫れや痛み、内出血症状などが回復するまでの期間をいいます。脂肪吸引の施術は施術後に、腫れ、むくみ、麻酔による腫れ/内出血などが伴います。その方の脂肪吸引の量、脂肪吸引の部位、クリニックの担当医の施術の仕方、個々の症状の度合いは異なります。
ダウンタイム期間とは一般的に施術前と同様に生活ができるようになる回復期間のことを指します。だいたい数ヶ月もすれば完全になくなる方もいらっしゃいます。遅くとも半年経てば完全になくなるでしょう。(まれに後遺症が数年後も残る場合もあります。)
脂肪吸引には体にメスを入れる方法と体にメスを入れない方法があります。もちろん体にメスを入れない方がダウンタイム症状は軽減されます。
術後は運動や飲酒、喫煙が制限されると思いますが、これらの生活習慣はむくみや血流の流れを悪化させるためダウンタイム期間において回復が遅れます。ダウンタイムの期間は分からないかもしれませんが、まれにダウンタイム時の症状の一部が後遺症として残るケースがあります。その原因は医師の技術不足によるものだったかもしれませんが、ダウンタイム期間の過ごし方にも原因がある可能性がありますので注意して過ごすべきでしょう。
3. 皮膚のつっぱりはいつまで続く?
脂肪吸引後1週間くらい経過するとつっぱり感が出てきます。また、施術部分は硬くなってきます。これが先ほど申し上げた拘縮の症状です。これは3、4週間ピークにその後はだんだんと治っていきます。
もしそれでも緩和しない場合は一度主治医に相談してみると良いでしょう。ここで自己判断をしてケアの方法を変えなかったことで後々の後遺症(ここではつっぱり感が数年経っても消えないなどの軽い症状)に関わってくるかもしれません
また、主治医に相談することによって自分のアフターケアの方法が間違っていることを指摘されたり、クリニックで用意されているマシーンを利用した脂肪吸引のアフターケアについて教えてもらえるでしょう。
4. 皮膚のつっぱりを解消するアフターケア方法
皮膚のつっぱりの原因をお分かりいただけましたでしょうか。ではこのつっぱりを解消するために日常生活で対応できることは何があるのか見ていきましょう。
4-1. 運動
術後数日間は酷い痛みに見舞われると思いますので、我慢せずに鎮痛剤を飲みましょう。鎮痛剤を飲むことには痛みを抑えるメリットだけでなく、日常生活の中で動きやすくなるというメリットがあります。
なぜなら、施術数日間経って動きにくくてもなるべく動いた方が早くつっぱり感がなくなるからです。早く治れば、動きにくさも早くなくなります。
また、このつっぱり感はダウンタイム時に起こる別の症状であるむくみによっても影響されることがあります。術後は適切に水分を摂取することが必要ですが、動かなければ体内に水が溜まっていくばかりです。特に術後は体には熱がこもりやすく水分が蒸発しやすい状態ですので、この水分を体内に出す目的のためにもなるべく動きましょう。
4-2. 体を温める
お風呂はシャワーで済ませずに湯船に長く浸かった方が良いでしょう。このことで血流が改善されますし、マッサージの効果も出やすくなります。
また、体を冷やさないよう、なるべく温めるという意味で生姜などが入った飲み物を積極的に取り入れても良いかもしれませんね。
4-3. マッサージ
マッサージする際の注意点:心臓に向かってマッサージすることがコツです。血行促進のためにも、マッサージの際には優しくさすって、らせん状にくるくると弧を描くようなイメージで心臓に向かっていきましょう。
4-4. ストレッチ
患部をゆっくりと伸ばし、伸ばしたところで10秒停止します。1日5分でもよいので毎日コツコツ続けてください。皮膚の弾力を回復させることができそれによりつっぱり感が緩和されるでしょう。あまり激しいポーズをとるヨガはお勧めしませんが、適度にヨガなどのストレッチ方法を取り入れるのもお勧めです。
4-5. クリニックの血行促進
加温、高周波トリートメントで血行促進をする方法もクリニックにはあるようです。いろいろなマシーンがありますので、クリニックの主治医に相談して自分に合った方法を教えてもらいましょう。
4-6. 食生活
【豚肉】メニュー例:とんかつ・豚の生姜焼き
豚肉は、脂肪吸引前後の食材として最もお勧めの食材です。アミノ酸はロース肉100gあたり必須アミノ酸だけで3000mg含まれます。
【卵・乳製品】卵・牛乳・ヨーグルト・チーズなど
卵や牛乳は良質なタンパク質(動物性)が豊富に入っており、身体のダメージ回復にとても有効です。牛乳が苦手であればヨーグルトやチーズを積極的に食べるようにしましょう。
【大豆】メニュー例:納豆・冷奴・湯豆腐、など
大豆もたんぱく質、ビタミンB1が豊富なのでお勧めの食材です。ですが、タンパク質を摂取するなら植物性よりも動物性の方が効果があるようです。
【牛肉・鶏肉】鳥の唐揚げ・焼肉など
豚肉と同じく、牛肉、鶏肉も有効です。豚肉が苦手、という方は牛肉や鶏肉を積極的に食べるようにしてみましょう。
身体が受けたダメージから早期に回復するには偏らずにバランスよく食事をしっかりと食べることが大事ですので気をつけていきましょう。
4-7. その他気をつけたいこと
異常を感じたら自分で判断するのではなくすぐに担当医に相談するのも重要です。時間が経つにつれ症状は改善しにくくなる可能性があることを念頭に入れておきましょう。
脂肪吸引はどんなに良いクリニックを選んだとしても人の手を通して施されるものです。失敗が起こることも確率としては低くとも起こることを想定しておいた方が良いでしょう。そのため医師選びは信頼できる医師を慎重に選ぶ必要があります。
美容整形外科での経験が豊富、症例が多い、麻酔担当の医師がきちんと居る、カウンセリング時の医師の態度など、多くの情報を集め、賢く見極めることが大事になります。
つっぱり感の症状を持っている方はひどい方だと3年以経っても引きつりの症状を日常生活で感じる方もいました。このような方がもし慎重過ぎるほど医師選びに注意を払っていたら少しは状況が変わっていたかもしれません。
5. まとめ
ここでは脂肪吸引後に起こるつっぱり感についてご紹介しました。拘縮は体が治ろうとする正常な働きをしている状態です。その働きをサポートするために、禁酒、禁煙を徹底しマッサージなどのケアで治りやすくなる環境を作っていきましょう。