脂肪吸引を受けた後の毎日のセルフケアではマッサージや固定器具の使用、マッサージ、水分補給などがあります。ダウンタイムでは吸引の部分によって出る症状、期間によって出る症状が変わってきますのでアフターケアの方法もそれぞれです。
例えば、顔や二の腕などは軽い症状で済むのですが、腹部周辺やお尻、太ももなど脂肪量の多い箇所を手術した際には症状が顕著に現れます。
ここではダウンタイムの症状にどのようなものがあるか、アフターケアでどのように対処すれば早く改善できて理想の仕上がりを得られるかについてご説明します。
この記事でわかること
1. 【部位別】脂肪吸引後のアフターケア方法
なかなか減らない贅肉があっという間に無くなるのが脂肪吸引の魅力ですが、吸引の量が多かったり範囲が広かったりと身体に負担のかかる場合はダウンタイムが長引いてしまいます。
施術で傷ついた組織の回復をスムーズにさせ、より早く効果を得るためにはアフターケアが欠かせません。どの部位であっても脂肪吸引後に出てくる一般的な症状としては、むくみ、痛み、肌の凹凸、かゆみ、つっぱり感などです。
どれも数ヶ月で自然と回復することがほとんどですが、放置しておくと新たなトラブルにつながることもあるので注意が必要です。適切なアフターケアを行なうことで、美しい仕上がりが得られます。
1-1. 二の腕のアフターケア
二の腕の脂肪吸引後、2週間程度はある程度の痛みや違和感が続きます。その痛みや違和感は少しずつ治まってきますが、次に現れる症状がむくみです。むくみは二の腕~手の甲にまで範囲が及ぶことがあります。
いきなり手がむくんで驚くかもしれませんが、この症状は徐々に治まってくるので特にケアが必要ではありません。むくみが引いてくると今度は青あざができるようになり、こちらも徐々に消えていきます。
その後、肌の凹凸が出てくるのを防ぐため、術後1週間ほどが経過したらマッサージをお勧めします。
1-2. お腹のアフターケア
お腹の脂肪の吸引は広範囲の施術になり、量も多くなるため、狭い部位比べるとやや身体への負担がかかりやすいでしょう。吸引範囲や吸引する量にもよりますが、筋肉痛に似たじんわりとした痛みが1週間程続き、術後3日後頃までがピークです。
その間に処方された鎮痛剤を服用すれば収まる程度でしょう。お腹の部分の違和感を補うために前かがみにならないと少々きつく感じるかもしれませんので、お休みは1日多めに取ることをお勧めします。
1-3. 太もものアフターケア
太ももの吸引をした人は術後、イスに座るときに痛みが出るため、クッションを敷いて刺激を和らげるなどの工夫をされる方も多いようです。
お尻、脂肪吸引の術後3日間の痛みはピークで、寝返りすると目が覚めるくらい痛いと感じる方も多いため、布団の上にクッションや枕を敷いて脚を高めに置いて寝ることで苦痛が和らぐので是非取り入れてみてください。
1-4. お尻のアフターケア
お尻の脂肪吸引は、通常では部分痩せしにくいお尻のサイズダウンが人気の理由の一つです。ダウンタイムの間も内出血や圧迫が外から見えず、むくみも目立たないので洋服選びには困りません。
術後はウォーキングやヨガなど適度の運動を、身体に負担がかからない範囲で行うよう心がけてください。ストレッチやマッサージをすることで、施術部分のつっぱり感やむくみなどもより早く回復します。
座った時の違和感やつっぱりの感覚もほとんど無くなります。内出血は体内の血液循環を良くすると改善するので、なるべく温かい飲み物にするなど、血行を良くし身体を温める生活を心がけましょう。
トイレに座る時は特に痛むため、便座シートを何枚も便座に貼って便座とお尻がなるべく触れないようにすることで痛みが軽減されます。
1-5. 背中のアフターケア
背中の脂肪吸引は広範囲の施術にも関わらず、術後翌日には仕事を再開できるという点にあります。デスクワークをしている人でも比較的仕事で動く人も冬の時期であれば、まず問題なく復帰することができます。
また、ダウンタイムの全体の期間も他の部位に比べて短いです。ただ術後の直後は、広範囲の施術のため身体を動かす仕事をしている人の場合は2~3日日お休みをとったほうが良いでしょう。
これは汗をかいてしまうと施術した部分に菌が発生して問題になることを防ぐためです。運動をすると汗が出て雑菌が繁殖しますので、無理して運動はしないでください。施術部分に雑菌が繁殖すると免疫力が低下し、感染症にかかる懸念があります。
このようなケースはまれですが、感染症をきっかけに皮膚が更に悪化する可能性もあります。また、一度感染症にかかるとクリニックで追加の手当てを受けなければならず無駄な出費につながります。
ですので手術直後にアフターケアをするときにおいては運動は当面の間は禁止しておいて、まずは清潔にしておくことが先決と考えておきましょう。
また、術後~3日間までは背中を不注意に触れるようなことは避けましょう。手に雑菌がついている可能性が高いため、感染症を招きかねません。背中のかゆみや痛みなどについては、神経質になってかかないようにしましょう。
もしかゆみがひどくなり我慢できないなど必要であれば医師に相談しましょう。手術を受けてから直後はアフターケアに細心の注意を払い、少しでも異常を感じた場合には担当医に診てもらいましょう。
1-6. 顔のアフターケア
特に下膨れの解消に効果があり、小顔になれる施術が顔の脂肪吸引です。吸引後は腫れやむくみで顔が大きく見えたり、内出血で青あざができたりします顔は服などで隠すことができないので気になってしまうのは仕方がありません。
術後3日目までは歯磨きや食事、表情を作のが困難を感じることもあるかもしれません。ただし会話をするのは問題ないようです。
顔の脂肪吸引直後はむくみ予防、仕上がりを良くするために24時間フェイスバンド着用します。これは圧迫と同じことです。会社がある時や外出時などは、ずっと装着するのは無理ですが、在宅中は必ず行って圧迫固定を続けましょう。
圧迫固定期間は内出血が起こりやすいのでマッサージは避けましょう。2週間程でむくみが落ち着いてくると、今度は拘縮が現れます。
この段階から自身でマッサージをしたりフェイシャルエステを受けたりしても問題ありませんので、始めても大丈夫です。積極的に取り入れましょう。むくみを予防するため、術後しばらくはアルコール摂取は控えてください。
2. 【症状別】脂肪吸引後のアフターケア方法一覧
脂肪吸引は身体への負担を伴う施術なので、術後のアフターケアはとても重要です。脂肪吸引の効果をしっかり実感できるようになり、身体が術前の健康状態に回復するには、ある程度の日数がかかります。
その間に気をつけること、行ったほうがよいことなど、できるだけ早い回復や美しい仕上がりを導く方法をご紹介していきます。
2-1. 痛みのアフターケア
体にメスを入れる施術の場合、麻酔が切れると筋肉痛のような痛みが発生します。特にお腹やお尻、太ももなどの脂肪量が多い部分の施術の場合、強く症状が出ることが多いです。症状を軽減させるためにもしっかりケアしていきましょう。
通常クリニックから鎮痛剤が処方されるので、それを服用することで痛みが緩和されます。外部からの刺激によって痛みが出ることが多いので、施術部分にクッションやスポンジを利用するのも効果的です。
痛みのピークと言われる術後1日~3日目は、寝返りするだけでも激しく痛いとも言われていますので布団の中にクッションを敷いて施術箇所を保護しましょう。
2-2. むくみ、腫れのアフターケア
むくみを改善するためには着圧タイツを身に着けて、外からの力で強制的にむくみを抑えることが有効です。しかし術後すぐに身に着けると刺激が強く痛みを悪化させるため、痛みが収まってきた頃に着用し始めましょう。
身体が冷えると効率よく水分を代謝できずむくみを悪化させるので身体を温めることが大切です。「湯船にしっかりと浸かる」「ストレッチや運動をする」のも効果的ですよ。
特に下半身はむくみやすいため太ももやひざ、ふくらはぎの吸引をしたときは入念なケアが必要です。
2-3. 内出血、あざのアフターケア
皮膚内部の傷が回復するのに1週間かかります。クリニックでテーピングが施されたり、ガードル、ストッキング、サポーターなどの圧迫アイテムを着用するよう指示を受けることが多いでしょう。
この圧迫にはむくみや内出血を抑える目的もあるので、指示通りにきちんと使用してください。この自身でのケアは、傷がよくなってくる術後1週間目くらいから始めましょう。
内出血を和らげるためには、内出血の部分を冷やさないことが大事です。また、冷たい飲み物や食べ物を避けましょう。身体を温めるものを食べて血の巡りがよくすることが内出血の緩和につながります。
2-4. 拘縮のアフターケア
脂肪吸引後は、吸引によって除去された脂肪を身体が取り戻そうとする働きをするため、拘縮と呼ばれる肌に凹凸我できる症状が出てきます。
約3ヶ月~半年で自然と改善しますが、マッサージで皮膚をほぐすことでより回復が早まります。シャワーで済ませず湯船に浸かり身体を温めた後、心臓に向かうように優しくマッサージを行なっていきましょう。
2-5. しびれのアフターケア
圧迫の度合いが強すぎたり、術後にむくんだりして、しびれたような感覚が生じることがあります。また、施術で神経を傷つけてしまうとしびれが長引きます。
まず圧迫をゆるめ、むくみケアのためにマッサージなどで血行を促しましょう。あまりにもきつくて緊急的に緩めるのはもちろん構いませんが、圧迫の緩め方の度合いを自己判断すると最終的な仕上がりに関わってきます。
是非クリニックに相談することをお勧めします。
2-6. かゆみのアフターケア
施ダメージを受けた皮膚が圧迫による刺激で炎症を起こすとかゆみが生じます。かゆみが長期化すると水ぶくれや色素沈着を招きます。
上記と同じく一時的に圧迫を緩めた後は圧迫の仕方についてクリニックに一応相談してみましょう。
2-7. 色素沈着のアフターケア
この色素沈着はかゆみと同じく圧迫の刺激で起こることがあります。まず赤くなった後は茶色になり、ニキビ跡が茶色く残るのと同じです。
時間の経過で薄くなることも多いですが、くすみとして残ってしまう恐れもあります。色素沈着は日焼けによって悪化するので、施術部分はなるべく日光を避けUVケアをきちんと行いましょう。クリニックで美白剤を処方してもらうのもよいでしょう。
色素沈着は時間とともに目立たなくなっていきます。ですが、個人の体質やライフスタイルなどで残りやすいこともあるので一概に言えません。
2-8. たるみのアフターケア
吸引後は急に脂肪細胞が少なくなることで皮膚のハリがなくなったと感じられることもあります。吸引の量、施術部分、年齢、医師の技術力にも関係しますが、軽度なものであれば自然に回復するでしょう。
対策としては充分な保湿をこまめに肌に与えることです。それでもハリが戻らなければ手術で修正することもできるのでクリニックに相談してみてください。
2-9. 傷跡のアフターケア
傷跡は動きの大きな部位(脚や腕)は比較的傷が治りにくく、また摩擦による刺激が多い部分の場合目立ちやすくなります。擦るなどの強い刺激を与えないことが大切になってきます。
色素沈着は日中のUVケアを入念にし、クリニックで処方される美白剤の使用も考えましょう。傷跡が治りにくい体質の方には薬や注射もあるので相談してみてください。
3. 【期間別】脂肪吸引後の日常生活で気をつけるポイント
・手術当日の注意点
手術当日は安静にし、痛みが酷いようであれば鎮痛剤も服用しましょう。食事は無理して食べると胃への負担になりますので、麻酔を早く体内から出すためにも水分を多く摂るようにして下さい。
<お小水の管を入れられた方へ> 管による刺激のため残尿感があったり、血液が混ざった尿が出ることがあると思いますが、2~3日で良くなりますのでご安心下さい。
・術後2~3日目の注意点
大変きつく感じるでしょうが、脂肪吸引後2日目からは、仕事のお休みを取っていたとしても家の中で通常通りに過ごすように頑張りましょう。
術後に起こる可能性のある合併症の血栓は、血液の塊が血管に詰まってしまう疾患です。私達の体は血栓ができないように作られていますが、術前の水分制限、術中に同じ姿勢を取り続けなければならないため血栓ができやすくなっています。
肺で血栓ができると呼吸困難を、脳に血栓ができると脳卒中のような症状を引き起こします。これを防止するために術後は患部の圧迫が必要です。姿勢を変えないでいたり動かなかったりすると血栓ができやすくなります。
術後だから安静にしなければと思うのは適切ではありませんので、出来る範囲で動くようにしましょう。お食事は通常通りとって構いませんが消化の良いものを中心にしましょう。飲酒は術後2~3日は控えましょう。
・術後1週間2週間の経過やアフターケアの注意点
脂肪吸引手術後の1-2週間後に入ると痛みはピークを終え、ほぼ日常生活も通常通りに復帰しつつある状態です。浮腫みはまだ皮膚内部は回復過程のため圧迫は最低1ヶ月は継続しましょう。
痛みや浮腫みは軽減していきますが、一方、手術部位に拘縮と呼ばれる症状が出てくることがあります。吸引した部分が硬くなったように感じる症状のことで、肌のつっぱりがあり、凹凸が肌に現れます。
これは脂肪吸引の際に急に脂肪を除去することで身体が肌を元に戻そうとする働きのため自然に起こる現象です。この時期においては圧迫を適切にしっかり行うことが必須で、不十分だと凸凹が残ったまま固定されてしまいます。
この時期の圧迫は綺麗な皮膚にする上で重要です。脂肪吸引後1ヶ月からは、マッサージを始めても問題ありません。術後1ヶ月間は圧迫が一番重要です。マッサージを始めるのは必ず脂肪吸引後1ヶ月経ってからにしてください。
術後1ヶ月では太ももは触ると硬い感じがあり、このことを硬縮(こうしゅく)と呼んでいます。硬縮は正常な経過の家庭で起こる1つの症状です。特に何もしなくても自然に治りますが、マッサージをしたほうがより早く改善します。
お勧めのマッサージの方法としては硬い部分をほぐすように毎日5分程度続けてみてください。回復を早めるため、脂肪吸引後2週間は水分とたんぱく質を十分に補給することが大事です。
水分補給が必要な理由としては術後に水分が体から抜けやすい状況になるからです。術後は体温が上がり水分が蒸発してしまったり、一時的に食欲不振になるため水分の補給量が少なくなったりします。
また、患部に炎症があると熱が出てしまい冷却のためには水分が必要になります。たんぱく質の補給が必要な理由は、手術でたんぱく質が欠乏している状態になっているためです。
これは、手術で傷ついた組織を治すためにたんぱく質を消耗してしまうのですが、この消耗を補完するために、脂肪吸引後2週間はプロテインを飲むことをおすすめします。
プロテインはたんぱく質だけでなく、ミネラルやビタミン類がバランスよく入っており、これらは術後弱った体に必要な栄養でもあります。
・術後1か月~半年の経過やアフターケアの注意点
術後1月以上の時間が経過すればスリムになったと変化を目で実感出来てきます。手術部位の皮下組織の回復も進み浮腫みも改善してくるでしょう。
3ヶ月まではかゆみ、色素沈着が、半年までは傷跡が残っている方もいらっしゃいます。かゆみの対策としては、保湿クリームやローションを使ってマッサージをすることです。
血行が促進され内出血やむくみが緩和され、かゆみも和らいでいきますが、これを根気よく気長に続けることがお勧めです。
色素沈着にはハイドロキノンという漂白効果のある塗布剤を使用し、継続することで、徐々に薄くなります。また施術をした部分は日焼けに十分に注意してUVケアを入念に行いましょう。
美白剤がクリニックで処方されるのであれば、それを使用して色素沈着を抑えていくのも良いでしょう。
4. 脂肪吸引後のアフターケアが重要な2つの理由
アフターケアが大事な理由として、ボディラインが美しくなっても施術した部分の肌に傷跡、凹凸ができるのを防ぐため、ダウンタイムをスムーズに乗り越え、なるべく早く日常生活に戻るため、この2つが挙げられます。
自身でできるアフターケアはそれほど大変なものはないため是非しっかりと行ってトータルの美を手に入れましょう。
5. 脂肪吸引後のアフターケア方法まとめ
ダウンタイムの期間は日常生活通りに過ごすのは徐々にできるようになっても体力的にきついとおっしゃる方がほとんどです。脂肪吸引で体力や免疫が落ち、痛みや腫れがある中仕事に行くのは大変です。
帰宅してからアフターケアもきちんとしなければならず、これは吸引部分が多いお腹や太ももの施術の場合は負担に感じるかもしれません。
2~3週間を過ぎて自分でアフターケアをするのには無理がある、凹凸が本当に引くか心配、こんな状態で本当に仕上がりは綺麗になるのか、など疑問がわいてきたら担当医に相談しましょう。
ダウンタイムのアフターケアは少し手間になるかもしれませんが、この少しの手間によって症状が改善され仕上がりが良くなると言っても過言ではありません。
このことを効果的に行うには脂肪吸引の際、担当医の説明をきちんと聞いて、適切に対処することが重要です。施術後はもちろん十分な休息を取ることも重要ですので会社勤めをされている方はお休みに余裕を持って取得できるよう事前に計画しましょう。